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芳賀 正明 教授(中央大理工学部)らの研究成果がNature Nanotechnology誌の電子版に掲載されました

芳賀 正明 教授(中央大理工学部応用化学科)らの研究成果がNature Nanotechnology誌の電子版に掲載されました  。

「湿度によってON/OFFスイッチングする分子ダイオードの作製に初めて成功」
中央大学理工学部応用化学科の芳賀正明教授・小澤寛晃研究機構准教授とオランダ・ライデン大、デルフト大、スイス・ベルン大との国際共同研究グループは、湿度によってON/OFFスイッチングする金属錯体をベースとした分子ダイオードが室温で動作することを見出した。これまでにもいくつの分子ダイオードが確認されているが、外部環境に応答して整流比が数千倍変化する分子ダイオードは知られていなかった。今回、対称型の二核錯体を二端子間に挟んだ単一分子伝導測定において、外部の湿度に応じて可逆的に整流比が変化する分子ダイオードを見出した。これは、外部の湿気によりエネルギーの非対称性(アシメトリー)が端子間に生まれることで、整流性が生じることを明らかにした。本研究で得られた成果は、分子レベルでの水分やアルコール検出などのセンサーの微小化に寄与できるものと期待される。
本研究成果はNature Nanotechnology,の電子版で、平成29年12月5日(火)1:00am(日本時間)付けでオンライン掲載されました。(DOI: 10.1038/s41565-017-0016-8. )

【発表論文】
Huseyin Atesci, Veerabhadrarao Kaliginedi, Jose A. Celis Gil, Hiroaki Ozawa, Joseph M. Thijssen, Peter Broekmann, Masa-aki Haga, Sense Jan van der Molen, 
”Humidity-controlled rectification switching of ruthenium-complex molecular junctions”
Nature Nanotechnology, DOI: 10.1038/s41565-017-0016-8. 

 

単一分子膜での湿度によるlog I – Vプロットのスイッチングの概念図
(ITO基板とITOチップの二端子間に分子膜が挟まれている)(作成者:Dr.V. Kaliginedi )